五十日(ごとうび)って?
私の世代の方であれば五十日(ごとうび)はご存じですよね?
日本では5の倍数の日(5日、10日、15日…)に決済を行う企業が多くあります。
該当日には、金融機関やATMが混みあい、営業車により道路も渋滞すると言われます。
会社に入りたてのころ、先輩が営業車のハンドルを指でコツコツ叩きながら、
「あかん! なんでこんなに混んでるんや…。そうか今日は五十日やんけ!」
なんてことがよくありました。
当時は、ゴトウビ? なにそれ? という感じでしたが。
昔はそういう傾向があったのでしょうが、いまは電子決済化が進んでいます。
五十日に渋滞が起きるというのは、もはや都市伝説のようですね。
どっこい生きてるぜ
では、五十日のイベントが全くないかというとそんなこともないようです。
例えば年金の支給日は偶数月の15日ですよね。
やはりその日は銀行窓口やATMも混む傾向にあるようです。
生活保護も支給日が1日か5日のところが多いようです。
また児童扶養手当の支給日も10日のところが多いとか。
日本人にとって決済日は五十日、という慣習が染みついているのかもしれません。
FX市場でも存在感を発揮
五十日に決済を行うという慣習は海外取引においても生きています。
日本企業は海外に支払いをする際に外貨を調達します。
つまり、五十日には日本企業がドル買いを盛んに行うことになります。
朝の10時前に仲値(TTM)が発表されます。
なので五十日には、その時間の前後にドル買いが集中するそうです。
そして10時を過ぎていくと市場が徐々に落ち着いてドル安方向へ向かうとか。
このトレンドを利用したFX取引が行われているようです。
巷では「五十日トレード」と呼ばれているそう。(まんまやね)
確かに米国の重要指標発表の前に丁半勝負をかけるよりはマシな気はします。
実需に基づいたトレンドで、なおかつ方向性も決まっているので。
ただ、皆が同じ方向を向けば、そこでトレンドも打ち消されるのが世の常。
こんなシンプルな儲け話には眉にツバをしておきましょうか(笑)
廃れゆく言葉
あと二十年もするとスマホを使い込なす爺さん婆さんばかりになります。
年金支給日にATMが混むということもなくなるでしょう。
そうなれば五十日という言葉もいよいよ死語になります。
最終的には「五十日トレード」によってのみ「ゴトウビ」が生き残るのかも、ですね。
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