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26.【申請モレ注意!】加給年金を忘れていませんか? 

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加給年金、どうせもらえないんでしょ…

加給年金という言葉は知っていましたがちゃんと調べたことはありませんでした。
これまでの人生、いろいろな給付金の話がありましたがほとんど対象外だったので…
加給年金もどうせ要件を満たしてなくてもらえないんでしょ、と勝手に拗ねてました。
ところがこの加給年金については、かなり受給要件が緩いことを知りました。
どうやら私も対象者のようです。
おそらく60代の多くの方も関係しそうです。
そしてなにより、受給資格ありながら申請されていない方が多い制度のようです。
簡潔にまとめますので、ご自身が有資格者か否かを確認いただければと思います。

まず加給年金とは

加給年金とは配偶者や子供がいる厚生年金の被保険者が受給できる年金です。
年金における「家族手当」という位置づけです。
まず、概要は以下の通りとなります。

  1. 65歳に到達した時点で要件を満たしていれば割り増しで受け取れる年金
  2. 老齢厚生年金に紐づいた年金のため、厚生年金の被保険者が対象
  3. 65歳未満の配偶者、または18歳未満の子供がいることが条件

ということで、国民年金のみに加入されていた方は残念ながら対象外になります。
そして、上記の通り「家族手当」的な年金ですので、上記3が基本的な要件です。
ただ、65歳で18歳未満の子供がいらっしゃるのはレアケースだと思います。
よって、ここからは65歳未満の配偶者がいらっしゃるケースに焦点を絞ります。
ちなみに、ご夫婦どちらの年齢が上でも同じ扱いになりますのでその点はご安心を。

詳細な受給要件

上述の通り厚生年金の被保険者で、65歳未満の配偶者がいる方が対象となります。
ただ、それ以外にも受給の要件がありますので見ていきましょう。

  1. 厚生年金保険の被保険者期間が20年以上ある
  2. 65歳到達時点で、生計を維持している65歳未満の配偶者がいる

1は転職をしていても累計で20年以上なので多くの方はクリアされてるかと。
ポイントは2です。
私は配偶者が無収入であることが条件なんだろうな、とぼんやり想像していました。
なので、うちの場合は対象外だろうと。
しかし、ここが違いました。
「生計を維持している65歳未満の配偶者」の詳細要件は次の通りです。

  • 年金受給者と同居していること
  • 配偶者の前年の収入が850万円未満、または所得が655万5千円未満であること

配偶者の収入の条件がかなり緩いんですよね。
これであればほとんどの方が対象になるのではないでしょうか。
ちなみに「同居」についても、仮に別居状態でも理由次第ではOKとなるようです。
単身赴任とか、親の介護でやむなく、とかは大丈夫そうです。
ここではこれ以上の詳細は記し難いので、該当する方は別途調べてみてください。

受給金額

では、いくら受け取れるかです。
以下の金額が年間の受給額となります。

加給年金額:228,700円 + 特別加算額168,800円 = 397,500円(年間)

つまり、5歳年下の配偶者がいる場合は累計で、
397,500円/年×5年=1,987,500円
となります。
これは大きいですよね。

留意点

年金の場合は諸制度が絡み合ってややこしくなるケースが多くあります。
すべてはカバーできないのですが、大きな留意点のみ記しておきます。

  1. 厚生年金の繰下受給を選択した場合は繰下げた期間中は受給対象外
  2. 給与収入が多く厚生年金の受給が止まった場合は同時に加給年金も停止
  3. 「特別支給の老齢厚生年金」を受け取る場合は諸条件確認要

1は例えば5歳下の配偶者がいて、自分は70歳まで繰下受給にしたとしましょう。
その間は厚生年金の受給をしないので、それに紐づく加給年金も支給されません。
それはまあ道理で納得できますが、そこまで考えずに繰下してしまう方もいるかも。
ちなみに繰下による割増効果は0.7%/月です。
比較すると65歳から受給開始し、加給年金ももらった方が条件がよい気がしますね。
まあ、何歳まで生きるかにもよるのですが。

2は65歳以降も働いて、相当額の給与収入がある場合です。
あまり該当者はいらっしゃらないかと。
言い方を変えれば、ここまで収入があれば加給年金までもらわなくていいでしょう(笑)

3は年金の受給開始年齢が60歳から65歳に引き上げられた際に設けられた制度です。
移行期間の負担を段階的にするための対策ですね。
以下の生まれ年の方が対象になります。
こちらもここで深掘りするのは難しいので、対象の方は別途調べてみてください。

男性:昭和36年4月1日以前生まれ
女性:昭和41年4月1日以前生まれ

申請方法

65歳前に「年金請求書(国民年金・厚生年金保険 老齢給付)」が郵送で届きます。
受給が始まる3カ月ほど前に届くようです。
こちらで加給年金の申請もできるようになっています。
申請しない限りもらえないので、記載漏れをしないようにしましょう。

こんなん知らんかった! という方

加給年金の受給資格がありながら申請してなかったというあなた。
「俺もう3年間ももらい損ねてるやん!」という方。
頭を抱えなくても大丈夫です。
速やかに年金請求書に必要事項を記入して日本年金機構へ提出しましょう。
5年を経過していない分については遡って受給可能です。

↑が今回一番お伝えしたかったことです。
もしおひとりでも対象者がいらっしゃれば嬉しく思います。

最後に

年金の仕組みはやっかいです。
今回書いたことは間違ってはいないはずです。
しかし、充分に書ききれていない例外規定も多くあります。
そもそも、100人いれば100通りの経歴・家族構成があります。
それぞれのケースを網羅的にカバーして説明することは困難です。

ご自身のケースは一度、自ら深掘りして調べてみることを強くお勧めいたします。

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