ロボアドバイザーとは?
ロボアドバイザー(以下ロボアド)とは人工知能を用いて資産運用するサービスです。
銘柄の選定から購入、運用まですべてを自動で行ってくれます。
ロボアドは2000年代初頭に米国で始まりました。
日本においても、2016年頃から認知が進み今に至ります。
自動売買というとフラッシュ取引を連想します。
市場からコンマ何秒か早く入手した情報により高速売買システムで自動取引。
そこから利益を出す仕組みです。
システムを使った自動売買という点では一緒ですが、取引の時間軸が違います。
フラッシュ取引は超短期、ロボアドは基本的に長期運用です。
ロボットが取引すると聞くと不信感を持つ方と期待する方とに別れると思います。
確かに自動売買とはいってもプログラムを組んでいるのは人間です。
従来はあまり賢い取引ができず市場平均以下の運用成績になることも多かったかと。
ただ最近はAIで自動学習も進んでいるでしょうから、実力が気になるところですね。
ウェルスナビとTHEO(テオ)
日本のロボアド市場で強いのはウェルスナビとTHEO(テオ)。
両社とも2016年よりサービスを開始しています。
ウェルスナビはウェルスナビ株式会社が運用、THEOはお金のデザイン社が運用。
両社ともロボアドでの分散、長期の運用が基本方針です。
概ね同じサービスと思って間違いはないと思います。
ただ、運用方針の設定の仕方には若干違いがあります。
ウェルスナビは5段階の中からリスク許容度を選択できます。
リスク許容度によりポートフォリオが変わるわけですね。
当然ながらリスク許容度が高い方がリターンが大きくなる可能性も増えます。
THEOは年齢や就業状況などのプロフィールを入力してお任せの運用が選択できます。
また、お任せでなく資産配分を自分で変えることもできます。
そして気になる管理手数料ですが、両社とも基本は1%/年です。
(条件によってパーセンテージが低減される仕組みはあり)
一方、インデックス型投資信託の管理手数料は0.1%のものとかがザラにあります。
「ロボアドはやめとけ勢」の主張はこの1%の手数料に根拠があることが多いですね。
実情はどんなもの?
私は2020年の3月にウェルスナビとTHEOに10万円ずつ入れてみました。
2020年3月というと世の中がパンデミックで大変になっていたタイミング。
日経も下がっていたので、なんかやっとくかな、という軽い気持ちで始めました。
さて、ウェルスナビの運用実績は以下の通り。
・現運用額:173,000円(+73%)
複利でもあるので単純計算はできませんが、年利17%くらいかな。
一方2020年3月の日経平均は約19,000円。
いまが38,000円だとすると+100%です。
単純比較では日経平均の方が勝ちですね。
言い忘れましたが、私はリスク許容度3(真ん中)で設定していました。
一番リスクをとっていれば、日経平均をオーバードライブしていたのかも。
ちなみに今のポートフォリオはざっくり以下のような感じです。
・株式:60%
・債券:30%
・金、不動産など:10%
やはり債券の比率が結構あるので日経平均に負けるのはやむをえないですね。
さて、THEOですが、昨年途中から積立を始めてしまいました。
なので、現在の実績はウェルスナビと単純比較ができません。
ただ、昨年途中まででいうと、両社の運用成績はほぼ一緒でした。
ロボットなので、ある域までいくと平準化しちゃうんですかね。
THEOはお任せの設定にしており、ざっくりのポートフォリオは以下の通り。
・グロース(株式中心):35%
・インカム(債券中心):50%
・インフレヘッジ(コモディティ中心):15%
ウェルスナビの許容度3の方がちょっと積極運用かな。
多分私の年齢が考慮されてややディフェンシブになっているのでしょう。
ちなみに、ウェルスナビでなくてTHEOで積み立てを始めたのはdポイントが付くから。
運用成績に基づく判断ではありません(笑)
で、結局のところどうなの?
投資信託の銘柄選択が面倒くさいという方はロボアドもありかと。
コモディティにも投資してくれるのでインフレ対策としてもよい気がします。
ただ、運用成績が右肩下がりになると管理手数料1%が気になり出すのは確かです。
ロボアドに資産の大きな比率を振り向けるのはお勧めしません。
が、ロボットのお手並み拝見程度の運用はいいのではないでしょうか。
AI化が進めば運用成績ももっと改善するかも知れませんしね。
ロボットは私たちが寝ている間に経済指標をみて、金利の予測をしてくれます。
そしてそれを元にポートフォリオを組みなおしてくれます。
それなら年1%はしょうがないな、と割り切れる方はロボアド向きかもしれません。
ということで投資はくれぐれも自己判断、自己責任でお願いいたします。
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