バングラディッシュ
バングラディッシュ。
元はイギリス領インド帝国の一部でした。
その後パキスタンの飛地(東パキスタン)を経て1971年にバングラとして独立。
ざっくり言うとインドがヒンドゥー教の人口が多い国(約80%)。
パキスタン、バングラはイスラム教の人口が多い国(バングラで約90%)です。
バングラは「世界の縫製工場」とも呼ばれアパレルメーカーに重宝されています。
あなたの家にもおそらく「made in Bangladesh」の服があるはず。
こうした産業を背景に1990年代後半からは年7%程度の経済発展中。
ただ、まだ最貧国のカテゴリーからは抜け出せていないようです。
何が起きたのか
7月以降、反政府デモが続き、最終的には首相が辞任する事態に発展しました。
デモの発端は、公務員採用の優先枠を巡っての国民の不満。
上記の1971年の独立戦争を戦った退役軍人の家族への優先枠付与が原因でした。
この優先枠、一旦2018年に撤廃されたものの、今年6月に高等裁判所判断で復活。
これに対し猛反発した学生たちがデモを起こしたのでした。
学生のデモ隊に野党支持者も多く加わり、一部が暴徒化。
デモ隊と警察の激しい衝突で少なくとも300人が死亡したと伝えられています。
デモ隊がハシナ首相の辞任を強く求める中、8月5日ハシナ氏が辞任しました。
現在はインドに逃れているようです。
新政権ユヌス首席顧問
首相を辞任したハシナ氏に代わり、ムハマド・ユヌス氏が暫定政府首席顧問に就任。
学生団体や軍幹部の推薦を受ける形での就任だったようです。
8月8日には滞在先のフランスから帰国し、大統領官邸で就任宣誓を行ったとのこと。
このユヌス氏、私は名前を全く知らなかったので調べてみました。
ユヌス氏はバングラの経済学者、実業家でグラミン銀行の創設者です。
2006年にはノーベル平和賞を受賞し、国連のSDG Advocates の一人でもあります。
グラミン銀行の創始者なんですね。
グラミン銀行は無担保で少額の資金を貸し出すマイクロ・クレジットの銀行。
今は8万4000村で558万人ほどの貧しい女性を主対象に貸し出しているそう。
このマイクロ・クレジットは貧困対策の新方策として国際的に注目されています。
現在84歳と高齢ではあります。
が、バングラの現状をみて首席顧問就任の要請を受けられたんでしょうね。
インドのモディ首相が73歳ですから、体力的にはもうひとつ大変だとは思います。
どうにか情勢安定化に向けて頑張って欲しいものです。
まとめ
バングラの国土は日本の4割程度。
その中に約1億6000万人が暮らしています。
日本より人口密度が高い国は珍しいですよね。
日本はODAを通じてバングラを支援してきました。
バングラの国旗は緑地に赤い丸ですが、これは日本国旗を模したという話もあります。
バングラの日本に対する単なるリップサービスかもしれませんけど(笑)
ただ、かなりの親日国というのは間違いないようです。
今回、ノーベル平和賞を受賞しているユヌス氏が暫定とはいえトップになりました。
これを機に、平和で安定成長できる国造りを更に推進して欲しいものですね。
親日国が成長してくれるのは日本にとってもありがたい話ですから。
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