日銀保有のETFとは?
日銀は、2010年からETFの買い入れを開始し、今年の3月に終了しました。
そもそものこの買い入れのの目的は、市場の安定と経済活性化でした。
金融緩和策の一環として、ETF購入を通じて市場にお金を供給するのが主目的かと。
デフレ脱却が見えて、今年の3月には購入を終了したものの残高は膨れ上がってます。
今年の3月末の時点の簿価で37兆円、時価で74兆円だとか。
先般このブログでも扱ったGPIF(年金積立機構)を超え、日本株の最大の株主らしい。
ETFなのであくまで間接的にですが…
何のETFを買ってるの?
GPIFは保有銘柄を公表していますが、日銀はしていません。
ただ、TOPIX、日経平均、JPX日経インデックス400に連動するETFが主体のようです。
まあ、GPIF同様にあまり冒険はできないですもんね。
このETFの行方は?
買い入れはやめたわけですが、この巨額なETFをどうするのかが焦点になっています。
巷で囁かれている案としては以下の通り。
- 市場で売却
市場で売却して国庫に売却益を入れる案です。
ただ、一気に売却すると市場に影響が出ます。
今でも年間3000億円程度は売却しており、この程度なら問題ないようです。
ただそのペースだとすべてを売却するのに240年以上かかる計算となります。
ちょっと時間軸が現実的ではない感じですね。 - 政府が買取り
ETFを政府が買い取り一般会計とは別の特別会計として管理する方法。
ETFから得られる分配金を子育て支援に使うというもの。
用途はそれだけでなく、防衛財源、社会保障費へ振り向けるという案もあり。
ただ、莫大な買取り額のため、予算が確保できないのではないかという話。 - 国民に販売
希望する国民に割安で販売するという案。
ちょっと荒唐無稽に聞こえますが、香港で似たような実績がある模様。
1998年のアジア通貨危機の際に香港政府が2兆円で株を購入して市場を買い支え。
この出口戦略として、まずは第三者機関を設立して株の管理や情報開示を実施。
そして翌年にETFの購入を希望する国民や機関投資家に割安で販売。
これで市場の大きな混乱もなく切り抜けられたそうです。
興味深い例ですよね。
まとめ
上記の出口戦略の一本に絞るのではなく、いくつか組み合わせてもよさそうです。
安く買わせてくれるのなら私も一枚かませてもらいたいところ(笑)
GPIFの資産も日銀保有のETFも実に景気のいいことになっています。
しかし、マスコミの扱いは何故か沈痛なテーマのような扱い。
こんなんだから報道の自由度ランキングがG7最下位なんじゃないかと。
情けない限り。
確かにネガティブなニュースも多いです。
が、それだからこそ景気の良い話をピックアップして盛り上げてほしいものです。
そうじゃないと元気が出ないですよね。
54.金融市場のクジラ GPIF(年金運用機関)のポートフォリオ解析
クジラと呼ばれるGPIF 金融市場にはその豊富な運用資金量から「クジラ」と呼ばれる機関投資家がいます。 GPIF(年金運...
コメント