ジャクソンホール会議
ジャクソンホールはアメリカ西部ワイオミング州にある高原リゾート地です。
ロッキー山脈を一望できる場所です。
ニュースでホテルの窓からの景色が映ってましたが本当にいい場所ですね。
ここで行われる経済シンポジウムがジャクソンホール会議と呼ばれています。
FRBを構成する地区連銀の1つ、カンザスシティ連銀の主催の会議です。
この会議は1978年に始まり、1982年からジャクソンホールで開かれています。
当時のボルカーFRB議長をワシントンから引っ張り出すためこの地が選定されたそう。
ジャクソンホールではボルカーさんの大好きな渓流釣りが満喫できるからだとか。
パウエル議長
このジャクソンホール会議ではFRB議長の講演内容が注目されます。
では、今回のパウエルさんの発言内容はどんな感じだったのでしょうか?
まず重要なのは、労働市場のこれ以上の減速は歓迎しない、という趣旨の発言。
ここのところ失業率が徐々に悪化しつつあります。
FRBは雇用を守りながら過度なインフレを抑えるのが目的なので当然のコメント。
この発言により、9月FMOCでの利下げ実施は決定的と市場は捉えています。
その利下げ幅が0.25%か0.5%かに興味は移っています。
一気に0.5%までやると、利下げタイミングが遅きに失したと思われる可能性あり。
FRBが慌てて下げたと市場に捉えられるリスクがあるということですね。
9月6日の雇用統計でそれほど大きな動きがなければ0.25%に落ち着くのでしょうか。
雇用統計
ただ、ちょうど米労働省が21日に雇用統計の下方修正を発表しました。
3月時点の雇用者数は81万8000人程度の下方修正になる可能性が高いとのこと。
雇用統計の公表値では3月までの1年間、月平均で24万2000人増えてきました。
が、今回の推計ではこれが17万4000人程度だったことになるようです。
約30%の訂正。
誤差というのは大きすぎる気がしますね…
中国の公式数字もお笑い要素がありますが、米国もあまり他所のことを言えないかも。
さて、このニュースは9月6日の雇用統計にも影響があるのか否か?
大統領選
一方で、大統領選が迫っているのも気になるところです。
ここで雇用が減速し、大幅利下げが実施されるのは民主党は望まぬところでしょう。
民主党にどこまでの公表数字への影響力があるのかは分かりません。
しかし、9月は0.25%の利下げに収めるというのが彼らのシナリオかな?
まとめ
YOUTUBEで米国在住の方の発信もときどき聞いています。
それによると、市場の減速感はあるものの、まだまだ景気の腰は強そうです。
もしかするとソフトランディングという幻想が実現する可能性もあるのかも。
逆にいえば、利下げをやりすぎるとインフレ再燃ともなりかねません。
おそらくFRBとしては最も避けたい流れなので利下げ幅には慎重でしょうね。
一方で日銀。
8月のことがあるので「羹に懲りて膾を吹く」になるのでは?
次の利上げにはかなり慎重になるでしょう。
上記の通り9月のFRB利下げは確実視されています。
少なくとも為替面ではしばらく様子見でいいはず。
実体経済面では余計に慌てて利上げをする必要は無いでしょうから。
個人的にはソフトランディング、おおいにウェルカムです。
ただソフトランディングはありえないという論調も多いのでどうなることやら。
経済面だけではなく各所の紛争の行方なども影響もありますからね…
全ての面においてソフトな決着になるといいのですが。
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