ディオール
今年、ミラノ裁判所がディオールSRLに対して「司法行政予防措置」を命令。
中国の下請け業者の労働搾取を放置、助長した嫌疑によるものです。
ディオールのバッグを作る下請け業者4カ所の労働実態調査結果によると
・下請け業者が不法滞在者を雇用
・労働契約書を結んでいない労働者も存在
・労働者たちは生産ラインを24時間稼動させるため作業場で就寝
・労働者は徹夜勤務や休日勤務など長時間労働を継続
・作業速度を高めるために機械から安全装置を除去
というようなことが判明。
かなりの悪辣ぶりです。
バッグの原価
この調査の過程においてディオールバッグの原価が明らかになりました。
原価53ユーロ（約9千円）のバックを2600ユーロ（約43万円）で販売していた模様。
まあ、これは43万円で欲しいひとがいれば買えばいいだけで犯罪では無いのですが…
世界一の富豪
いま、世界一の富豪が誰かご存じでしょうか？
マスク？ ベゾス？ いいえ違います。
ベルナール・アルノーという人物です。
推定保有資産は2262億ドル（約34兆円）！
フランスのLVMH（モエ・ヘネシー・ルイ・ヴィトングループ）の会長兼CEOです。
さすがルイ・ヴィトンの社長は儲けてんな、という感じです。
が、この会社は買収を重ねた結果、えらいことになっています。
ファッション系では以下のブランドを所有しています。
LOUIS VUITTON （ルイ・ヴィトン）
Dior / Christian Dior （ディオール/クリスチャン・ディオール）
GIVENCHY （ジバンシー）
FENDI （フェンディ）
LOEWE （ロエベ）
CELINE （セリーヌ）
PATOU （パトゥ）
EMILIO PUCCI （エミリオ・プッチ）
KENZO （ケンゾー）
Loro Piana （ロロ・ピアーナ）
BERLUTI （ベルルッティ）
Donna Karan （ダナ・キャラン）
MARC JACOBS （マーク・ジェイコブス）
Thomas Pink （トーマス・ピンク）
StefanoBi （ステファノ・ビー）
そう、冒頭のディオールもこのグループです。
更に異業種のTAG HEUER、Dom Pérignon、Hennessy （ヘネシー）なども所有。
驚きですね。
（私が知らなかっただけか…）
そらもうかるわ
マスクが儲かってるとは言っても、テスラの利益率は限られています。
中国のEVメーカーなんかも補助金でブイブイいわせてきてますしね。
一方、ファッションビジネス。
原価約9千円のバックを約43万円で売れば、そりゃ儲かるでしょうよ。
ディオールのバッグを所有したいひとは原価が9千円だろうが9百円だろうが関係なし。
売価43万円のバッグを所有しているという事実が大事なので。
だから不幸になっているのは労働者だけで、それ以降のプロセスの方々はハッピー。
まとめ
ビットコインでもドルでもブランドバッグでも価値は市場で決まります。
ビットコインの今の価格はブランディングの賜物といえるかも知れません。
逆にいえば明日には価値がゼロになっても不思議では無いとも言えるかと。
しかし、数多のテック経営者を抑えてファッションビジネスで富豪トップに立つとは。
やはり決め手は業界の利益率の違いでしょうね。
で、その高利益率はブランドによって担保されていると。
今に始まったことでは無いですがブランディングは大事ということですね。
ブランドは一朝一夕には築けません。
ただ、LVMHのように買収すれば手っ取り早く手に入りますよね。
そうなると買収するスキルこそがこれからは一番重要なのかもしれません。
最近はITばかりもて囃されます。
が、今後はデューディリジェンス（資産査定）スキルとかが就職に有利なのでは？
学生さんはこれからその分野の勉強を頑張ればLVMHに入れるかも、ですよ（笑）
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