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24.老後2000万円問題 資産を取り崩さない方法

資産運用
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老後2,000万円のおさらい

2019年に金融庁が提出した報告書で「老後2,000万円問題」が話題になりました。
もう5年前のことなんですね。

高齢者夫婦無職世帯の平均的な家計収支から老後に必要な金額が試算されています。
・収入:209,198円/月
・支出:263,718円/月
・不足額:54,520円/月
老後を30年間と想定して計算すると、
54,520円×12ヶ月×30年=19,627,200円
となり、老後2,000万円問題が爆誕しました。

65歳の夫婦で2,000万円あっても95歳のときには底をつくというストーリーです。
嘘では無いのですがちょっと単純すぎる気がしますね。

2,000万円を確保できた場合のシミュレーション

65歳で年金受給を始めたときに、2,000万円を貯められていたとします。
できる限り資産を取り崩さないシミュレーションをしてみます。
あくまで大雑把なシミュレーションなのでその点はご勘弁いただきたく。

目的は2,000万円をできる限り減らさずに毎月の不足額を補うこと。
まずそのために、安定したインカムを得ることが必要です。
分かりやすい例として米国債での運用を想定します。

2044年11月満期の米国債の情報を拾ってきました。
・利回り:4.222%
・利払い日:5月、11月
つまり、この先20年間毎年4.222%の利払いを受け取ることができます。
この米国債を2,000万円分購入することにしましょう。
受け取ることができるインカムの概算は以下の通りとなります。
20,000,000円×4.222%×0.79(税金21%で試算)=667,076円/年
月に直すと
667,076円÷12ヶ月=55,589円
となります。
税金以外にもドル転、円転に多少の費用はかかります。
が、最近は手数料もすごく安く済ませる手段がありますから気にしなくてOKです。

冒頭の2019年のリポートでの不足額が54,520円/月でした。
それに対して米国債での運用をすれば55,589円/月のインカム。
不足分を補えるということですね。
そして20年後には2,000万円が償還されますので資産も減っていません。

何か詐欺の勧誘でもしている感じになりました(笑)
しかし、上記のシミュレーションに嘘はありません。
ただ、その代わりまだリスクを書いていません。

最大のリスクは為替変動とアメリカのデフォルト。
為替が円高に振れればその分円建てのインカムも減ります。
また、20年後の償還の際にも円高になっていれば円換算では2,000万円を割ります。
ただ、為替についてはあまり考えても意味が無いと思います。
20年後の経済、政治環境など誰にも見通せないので。
それに20年後に為替が75円になって償還が1,000万円だったとしましょう。
そのときはもう85歳です。
多分1,000万円あれば十分ですよね。
逆に3,000万円になってるかもしれませんが、それはそれで持て余すだけかな。

アメリカがデフォルトして米国債が紙くずになるというリスクもあります。
ただ、その場合は自分の資産より命を心配した方がいい時代になっているかも。
こちらもあまり考えてもしょうがないでしょう。

以上、全額を米国債に突っ込むという極端な例でした。
が、米国債でなく高配当株などでの代替もありですね。
言いたかったのは2,000万円貯めないとヤバいと思い込む必要はないということ。
そして、2,000万円をちまちま取り崩しながら、通帳の数字が減っていくのを嘆く必要もないということです。
2,000万円あれば余裕で、なんとでもなると大きく構えていればいいと思います。

貯蓄が2,000万円に届かなかった場合は?

65歳以上の世帯の貯蓄額について以下の情報があります。
・平均貯蓄額:2,414万円
・貯蓄の中央値:1,677万円
平均額は富裕層が随分持ち上げてそうですよね。

それでも中央値は1,677万円あります。
これぐらいであれば2,000万円のときと同様全額を米国債に突っ込む手もあります。
月割りのリターン額は多少減りますが、ちょっと節約すれば済む程度の差かと。

どうしても生活のグレードを落としたく無いという方もいるでしょう。
その場合は、200万円程度を自由に使えるお金として手元に置いておきましょうか。
そして、残りの1,500万円弱を運用に回せばいいでしょう。
それだけでも随分資産は長持ちするはずです。

まあ、なんにしてもそもそも95歳まで頑張れる気はしないですしね(笑)

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コメント

  1. むーちょ より:

    むーちょと言います。65歳の年金生活者です。
    良記事でした。
    同意します。
    日本の高配当株ETFを保有する手もありますね。
    20年あれば株価も上昇することでしょう。

    当方はインデックス投資をしているので、それを
    取り崩す予定ですが、取り崩しも難しい面があります。
    利払いや配当で、と言う考えは理にかなっている、と思います。

    • BOSCH BOSCH より:

      むーちょさん
      高配当株ETFもいい選択ですよね。
      私も細々ながら保有しております。

      年金生活に入られているということで、ご意見とても参考になります。
      ちなみにこの記事を書いたあとに、そういえば私のインカムゲインはどのくらいなんだろうと気になりました。
      直近の半年で10万円あるかどうかでした…
      65歳になるまでにあと5倍以上にはしたいところです。
      なかなかのいばらの道ですが(笑)