ベーシックインカムとは
ブックオフで面白そうだなと手に取った本は「隷属なき道」という題名。
帯には「福祉はいらない。お金を直接与えればよい」となっています。
ん? ちょっと胡散臭い?
(ハードブックだけど220円だったので即買い)
ベーシックインカム(以下BI)とは、すべての国民が一定の金額を受け取れる社会保障制度のこと。
性別や年齢、所得水準などによる制限はありません。
その代わり、年金や生活保護など現行の社会保障制度は無くなります。
日本でのBI論者といえば竹中平蔵氏。
胡散臭いですね。
なので私はBIも胡散臭いものと思っていました。(笑)
しかし、この「隷属なき道」には、各国でのBIの導入テストでは良好な結果が得られたと書かれています。
ネットでも調べましたが実際にうまくいった例が多いようです。
「うまくいった」というのは、BI導入したらみんな勤労意欲がなくなっちゃうじゃん、という懸念に対して逆の結果が出たという意味。
BIで基本的な生活が営めるため、自分の望まぬ仕事を避けることができ、より民度の高い生活が送れるケースが多かったそうです。
なんかすごい社会主義的なにおいが…
日本は最も成功した社会主義国家といわれることがあります。皮肉を込めて。
医療保障制度、年金制度、生活保護…
日本人は文句ばかりいいますが(私も)、他国のひとから見ればうらやましい限りでしょう。
BIという富の再分配も大いに社会主義的なにおいがします。
「匂い」なのか「臭い」なのか…
まあ、今と同様、働いたお金は自分の懐に入るので、決して社会主義化ということでは無いのですが。
BIの大きな課題はふたつ。
ひとつは勤労意欲の低下ですが、前述の通りテスト導入されたエリアではむしろ良い影響があったようです。
かつてのソ連などをみれば鵜呑みにはできない気もしますけど…
そして、最大の課題は財源ですよね。
日本だと一人当たり月に7万円~10数万円程度のBIが想定されているそうです。
他の社会保障制度を止めてBIに財源を回しても足りません。
そうなると消費税を上げるのか?
20~30%の消費税とか?
しかし、BIもらって皆が楽な仕事にシフトすると、給与が減って所得税も減るよね。
それでも財源は大丈夫なのか…?
いっそのこと円安が限界突破するまで国債発行しまくっちゃうか!
ただ、そういう懸念点は多々あるものの、今回知った中で一番興味深かったのは、BIは少子化対策になる可能性を秘めているという点。
BIでは年齢に関係なく、ひとりアタマいくらで支給されます。
仮に7万円/人/月だとします。
すると、お父ちゃんもお母ちゃんも7万円で、小学生の花子も保育園児の太郎も7万円。
4人家族で合計28万円/月です。
生活保護や母子家庭の補助でも扶養する子供が多いほど手厚くはなるでしょう。
しかし、BIの方がよりダイレクトに家計に効きそうですよね。
そうなると、子供をもう一人多く作ってもどうにかなるんちゃうかな、という雰囲気も醸成されるのではないでしょうか。
安易かなぁ…?
だけど政府の的外れな少子化対策よりはマシな気がします。
世界の動きは?
フィンランドにおいては2017年から国家レベルでのBIの導入が行なわれています。
まだ試験的な導入ではあるようですが。
まあ、今ある自称共産主義国家では導入できるはずもない制度なので、西側の国でBIがこれからどれだけ実績を積んでいけるか、でしょうか。
それにしても竹中平蔵氏が旗を振ってると胡散臭いからやめてくれないかなぁ…。
それとも彼にネガティブな印象を持ってるのは私だけ?
コメント