PR

38.アルミ缶収集を横目に電気料金の行く末を考えた

定年前準備
スポンサーリンク

都会ならではの光景

単身赴任で東京に住むようになってから驚いたことのひとつがアルミ缶収集。
朝、散歩をしていると大量のアルミ缶を積載した自転車とよくすれ違います。
アルミ缶を入れたネットが自転車の前後左右にバランスよく配置された状態。

自宅のある関西の郊外では見たことのない光景です。
おそらくアルミ缶の飲料が大量に消費される都会だからこそなのでしょう。

アルミ缶を目にして頭に浮かぶのは、あれでいくらなんだろうというゲスい疑問。
アルミの買取り価格は50~200円/Kgで推移しています。
いくつかのサイトで確認するといまはどうも200円/Kgオーバーのようです。

アルミ缶70個で約1Kgとのこと(3円弱/缶ですね)。
フル積載した自転車に350個は乗るとすると、5Kgで約1,000円になります。

空き缶集めというとホームレスの方の収入源というイメージです。
が、上記の通り悪くない採算のため、最近は一般の方も参入されている模様。
取り合いの小競り合いはみたことはありませんが、今後はそうした場面もあるかも。

なぜアルミ缶は高く売れるのか

アルミは日本で年間約400万トン消費され、その中の約40%がリサイクルです。
リサイクルに必要なエネルギーが新規製造に比べてわずか3%というのが大きな理由。
ちなみに同じ比較では、鉄鋼で約40%、銅で約16%とのデータになっています。

新規製造と比べてリサイクルのエネルギーコストが低いのには理由があります。
アルミの新規製造にはおそろしく電気が必要だからです。

アルミの原材料のアルミナは、酸素とアルミニウムが強く結合しています。
電解によってこの繋がりを外すには膨大な電力を必要とします。
1tのアルミニウムを製造するために要する電力は約15,000kwhといわれています。
これは一般家庭の2年間の消費電気量以上です。

アイスランドのアルミ事業

アイスランドは環境に恵まれており、自然エネルギーだけで電力を賄っています。
水力発電74%、地熱発電26%という比率。
よって、電力コストが非常に低い国になっています。

そのためアイスランドでは電気喰いの産業であるアルミ製造が盛んです。
輸出品の中でアルミが40%を占めています。

原材料のアルミナを輸入し、安い電気を使いアルミニウムに変えて輸出。
ある意味、電気を輸出しているともいえますね。

日本の電気料金

つまり日本でも電気代が安くなれば、アルミの新規製造コストは下がります。
そうなれば再生用アルミの買取代金は低下し、アルミ缶収集の仕事の魅力は半減かも。

ただ、その心配はなさそうです。
いわゆる自然エネルギーはまだまだコストが高く、画期的な改善策もなさそう。
原子力発電は安全性を考えるとウェイトを高めるのは困難。
かといって核融合もまだまだ先の話になりそうです。

一方でこれからより存在感を高めてくるであろうAI産業。
これがバカほど電力を喰うといわれています。
すでに各国の電力関連の企業の株式は右肩上がりになっています。

AIによりビジネスや経済規模が急拡大するかどうかは明確ではありません。
が、AI化により電力消費が高まるのはほぼ確定。
ゴールドラッシュの際には、金鉱掘りが着用するジーンズの会社が丸儲けしました。
同じ理屈で電力関連企業株も買われ始めているようです。

世界的にこうした流れなので、日本の電気代も安くなる材料はほぼ無さそうです。

まとめ

EV化とかエコエナジーとかいっている間に、AIによる電気の大量消費時代が目前。
しばらくは電気代の高騰で、脱石油もままならないのではと感じています。

核融合がモノにならないと、根源的な解決にはならない気がします。
ただそんなこともいってられません。

地熱資源の保有順位、日本は世界第三位です。
一方で2018年のデータでは、全エネルギーに占める地熱発電は0.2%だったそう。
いろいろな課題はあるようですがアイスランドに学んで改善したいところです。

電気代が高くなると日常生活でもいろいろ我慢が必要になります。
せっかく高度文明の中で暮らしているのですから享受できるものはしたい。
クーラーはがんがん効かせたい。

科学者の方々には電力コスト低減に向けての技術革新をお願いしたいものです。
特に核融合エネルギーは私の目の黒いうちの実現を切に願います…

35.ふるさと納税 仲介サイトのポイント付与見直し
なんでこうなる? 総務省は25日ふるさと納税制度の見直しを発表。 利用者にポイントを付与するサイトを通じて自治体が寄付を...

コメント